書けなかったんです。
つらくて。
ヤツ、彼女いたんです。
だれにも秘密の彼女。だからわたしも気付かなかった。
そこだけは信じてたから、くやしくて、かなしくて・・・
でも、わたしが困った時に助けてくれたことや、めんどくさいことも引き受けてくれたのは
事実で、そんな事実があったからわたしは信じていたわけで。
都合のいいはなしだけれど、ヤツはわたしのことも確かに好きで
たんなる二股とかそういうことばでかたづけてしまいたくないって言ってて。
ホントの事を言ったらわたしが離れるのが恐くて言えなかったとか言ってて。
ヤツはやっぱりズルイし、自分勝手。
でも、ヤツの言うことは当たってる。わたしはヤツから離れる。
ヤツにちゃんと会って、今までのお礼と
わたしはヤツのそばにいたらいつまでも頼ってしまうから、他の人と出会ってもそれに気付かないわたしになってしまうから、もう一切連絡をとらないことを伝えた。
彼女のはなしなんてきいたことなかったから、どうしてもリアルに信じられなくて、
ヤツに彼女ってどんな人か聞いた。
わたしとはどこがちがうのって聞いた。
わたしといると楽しいんだって、彼女といるとラクなんだって。
これが一番ショックだったな。
ヤツは困ったらいつでも連絡して来いって言ってた。
それから、ずーっと泣いたり、すがるように本読んだり、友達に泣いて相談したり
ごはん食べれなくて、弱ってた。
彼女がいるから、ヤツに頼らないというのは、きれいごとかも?
なんでわたし譲っちゃうんだろう?
でも、譲るも何もヤツが選んだのがわたしじゃなくて彼女なんだから仕方ない?
彼女ってどんなひと?なんでヤツは誰にも言わないんだろう?
最初大して好きでもなかったのにいつのまにこんなにヤツにはまったんだろう?
なんだ相当好きだったんじゃん、わたし。
ひとりでいろいろ考えたよ。
でもね、我慢できなかった。
仕事が今すごくつらくて、ヤツもいなくてって八方塞になっちゃったの。
それでどこかに活路を見出したくて、ヤツにたよっちゃった。
ヤツはやっぱり助けてくれて、わたしはものすごく軽くなって。
それこそ、ヤツの都合のいいようになって、わたしはいいのか?ってかんじだけれど
わたしは、今ヤツが必要で、もう先のことなんて考えられなくて、今この瞬間のしあわせを大事にしたいと思ってしまって。
秘密がなくなったわたしたちは前よりももっと近くなった。
休みの日も会うようになった。
ヤツの家にお泊りもするようになった。
24時間、いっしょにいたりもするようになった。
どっちが前だかわからないまま進みだしてしまったみたい。